俺はなんばんぼし

釣具屋と不動産屋の

第27回「2020年」

またもやタイ。タイの話をするだ。
江戸川(私のこと)は最近、タイで仕事をしているだ。といってもずっとタイにいるわけではないだね。日本にいることもある。今の世の中は便利だから、あるじゃン、携帯スマートホン。離れていても、これでチャッチャと電話して話すだ。タイ人とね。パピルス、みたいな名前のタイ人と話すよね。パピルスは、日本語を話すタイ人なのさ。ただ、語尾とか接続詞とか、ちょっとした「てにをは」とかがやや未熟で、例えばこんなパピルスの挨拶で1日が始まるね。
「おはようだね、パピルスですだ。今日を何しますだ?」

どえらい日本語になっているもんだ、だがね、パピルスは慣れない日本語で頑張ってくれている。というのも、江戸川がタイ語はおろか、英語でさえもまともに扱えないからだね。そんな情けのない日本人に合わせてくれるパピルスなのでした。優しいのだ、パピルスは。パピルスが自分に合わせてくれる、そうなら自分もパピルスと会わせる、そうして国や文化の溝を埋めていくのよね。それで、パピルスに江戸川はこう答えるだ、
「おはようございますです、パピルスさん。今日はお昼までさいあむ行って仕事やるですね。パピルスさん時間ありですか? そうなら、チャパトンさんに電話してアレマダデスヨーって催促、あーいや、ハヤククダサイヨーって言ってみてほしいだ。それでボーさんね、ボーさんにも・・・」。


こうしてパピルスの日本語に合わせて彼とコミュニケーションをはかり続けた結果、私の日本語能力はホツレかけてきたが、パピルスとの関係は良好そのものである。
前回の出張ではパピルスの実家に泊めてもらった。久しぶりに、鶏の声で目を覚ました。

パピルスとの関係は申し分ないが、仕事の方は私の日本語以上にホツレが進行しており、目も当てられない状況だ。パピルスは、ドロブネ、という日本語を覚えた。臥薪嘗胆、という言葉もネ。


ところで今年は西暦2020年だそうだが、パピルスの住むタイで使われているタイ暦では、今年は2563年である。
はじめてタイに渡ってこの暦の存在を知った時は、エスエフの世界。。。。と違和感を抱く自分がいた。パピルスとの月日を経て、今はそこまで不自然さを感じなくなっている。
タイという異国で日本人が仕事をする以上、郷に入っては郷に従え、年月についてもやはりタイに倣うべきかもしれぬ。

ということで、2020年は543年前、とうに過ぎた。ビバ・ニューイヤー、今年は2563年ですだ。
だはは。
ところが世界を見渡せば、っていうかニュースを見れば、だはは、と笑っていられない状況がそこにある。コロナウイルスの影響で、タイに行くことがかなわぬかもしれぬ。そうなったら、僕の中の感覚として『2563年』は薄まっていくだろう。するとどうなるかというと、2563年が2020年に近づいていくわけだ。時計の針を逆に回すように。コロナウイルスが収束する頃には、僕の中は2374年あたりで落ち着くかもしれぬ。

2374年。2020年から354年後。ちなみに2020年の354年前は、1666年だ。1666年といえば、なんなんだ。1666年のことを何も知らない。調べてみたら、スウェーデンのルンド大学が創設されたって。ルンド大学の学生はこの事を知っているのだろうか。
どうなんだ、ルン大生諸君!f:id:orewananbanboshi:20200228011518j:plain
美しいキャンパス!!


次回は関西の農機具商、オガサワラ。テーマは「ケダモノ」です。
乞うご期待。

文責 江戸川