俺はなんばんぼし

釣具屋と不動産屋の

第йЗ回「2021年3月4日 混凝土密林 / 「緊急」スタンプの悲しみ」

幼少の記憶を拾い集めるようにオークションサイトでレゴブロックを買い漁る日々が1ヶ月半ほど続いているが、ついに大台を超えそうで、都会の混凝土密林の中でひとり震えている。現在の費消金額は合計で¥990,537、夢の大台まであと福沢氏1枚を切った。しかし、このうち¥39,585が送料で取られているので、正確を期すれば福沢氏にはあと5回頑張ってもらわねばならない。正直、自分にこんな資金があったことに驚いている私です。

こんなことをしていて、俺はいいのだろうか、と思う瞬間がないこともない。世間はコロナで大へんで、まあ自分も世間の一部なので私もまた大へんの一部なのだけれども、コロナ以外にも大へんな事柄・事案はどんどん起きていて、それらが解決されないままに新たな事柄・事案が発生して、それら問題の子孫たちがまた成長して、子々孫々とプロブレムは生まれては生まれてゆく。世界がそんな状況にあるというのに、俺は樹脂の塊を買いたたいている。たとえば戦争のさなか、塹壕の中で他の兵士は生きるか死ぬかの銃撃戦をしているその傍らで、私はひとり粘土あそびをしている。そんな感じがある。

 

本日会社で思ったこと

社内で共有されているチャットツールにはスタンプがあって、安易に、時には効果的に意思表示をすることができるようになっているが、本日は「緊急」と赤字で書かれただけのスタンプを発見した。もし本当に緊急な対応が求められる事が起きたとしたら、「緊急」などというスタンプをいちいち押している場合ではないにちがいない。とすると、この「緊急」スタンプが使われるシーンは別に緊急でもなんでもないことになると思う。だとしたら、このスタンプの意味するところは、いったいなになのだ。判らない。揺れているぜ、レゾンデートルが。この「緊急」スタンプは、柿の種(亀田製菓のやつ)の包装にデザインされている「けなげ組」の一員に加えてよいのではないかと、私は思いました。

 

文責:不動産屋