俺はなんばんぼし

釣具屋と不動産屋の

第Ηп回「2021年3月5日 上司の往来 / 200円ビバ」

お昼食べた? などとオフィスの人が聞いてくることがあるが、この言葉ってなんか変じゃないですか? だって、”昼”ってのは”朝”とか”夜”とかと同じく、時間帯を表す言葉であるはずでしょう? なのに、なあんで”昼”だけが「お」がついて、【午後0時前後に食べる食事のこと】を指すのでしょうか。夜に食べる食事は「夕飯」と呼ぶこともあって、この場合「お夕飯」などと呼びますが、”夜”に「お」をつけて「お夜飯」ということはまずないですね。「お夕飯」についても「ナー、お夕食べた?」と聞いてくる人に自分はいまだかつて出会ったことがないですし、確かに「お夜食」「お夕食」などと呼ぶこともありますが、「お夜」「お夕」はマジで会ったことないですね、そんなこと言う人に。朝もそうですよね、「お朝食」と言うことはあっても、「お朝にしますよ」なんて聞いたことないですよ。なのに、お昼。昼だけが異質なんですよ。なぜでしょうね?

と昼に誘ってきた上司に言うこともなく、自分は上司のあとについてオフィースを出たのは本日の12:58。久しぶりに打刻、というものをしたので分単位で明確に覚えている。とそこへ上司のアイフォーンが鳴った。実は、と言うほどでもないことだが、上司と自分は性格があまり似ていない。そのため、この上司は立ち止まって電話をすることができる。というか、立ち止まらないと込み入った話ができない性らしい。そして上司は立ち止まって話をし始めた。込み入った話である。長くなりそうだナー、と思って自分はたたずんでいた。

なぜ君も立ち止まる必要があるのか、先に行けばいいではないか、君には自立心が欠如しているというか、群れたがる傾向があるのじゃないか、上司に依存しているのじゃないか、なんだ君は、ゆとり世代か。と聞いてくる人があるかも知らんから言っておくと、自分はいわゆるゆとり世代であり、さらに自立心が欠如してもいるだろうが、面倒な仕事に往来の真ん中で対応する上司を置いてひとり飯屋に行く行為は「なんかちがう」と思われたので自分もそうして突っ立っていたわけなのでした。
しかし、暇であった。徒然を慰めるため、目に映る街路樹と目の前を通行するおばあちゃんの数を数えることにした。微塵の面白さもない活動であった。

 

そこへ、目を引くものを見つけたのは我ながらナイスだったと思う。20台ほどのガチャポンの機械が並んでいて、そのうちのひとつが実に魅力的な代物に見えた。名前を忘れていたので検索してみると発見したぜ、これである。

 

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アクアリウムジェルスライミー(メーカーは株式会社エール)。
実にいいネーミングである。「アクアリウム」「ジェル」、そしてスライムならぬ「スライミー」。なんというコンビネーションだろう。
スライミーに金魚の模型が入っており、見た目が非常に涼やかだ。しかも安い。自分が子供の頃はガチャポンは1回100円のものがほとんどだったが、最近は1回300円や400円のものが増えており、もしかして日本国民が富裕になったのですか、とも思ったがそんな感じはないので単にガチャポンの単価が高くなっているのが現状だ。そんな中、アクアリウムジェルスライミーは1回200円。100円まではコストを下げられなかったのだろうが、200円でこの内容ははっきり申し上げてビバである。上の広告には「ゆらゆら」「ぷかぷか」などと書いてあるが、実際に「ゆらゆら」「ぷかぷか」はしない。金魚をスライミーの中に挿入する作業があるが、この時に「ぷるぷる」するだけだ。それでもやはり、このスライミーの魅力は衰えないだろうと私は思う。昼飯から帰る途中に買った。

オフィースの席に戻ってさっきまで取り組んでいた投資回収資料などそっちのけでスライミー制作にとりかかった。2分で終了した。PCの筐体上に飾ると、実によい感じである。

思わぬ発見があった、割と幸せな一日でございました。

 

文責:不動産屋