プロジェクトリーダーという立場にいると考えなくてはならないことが多くある。例えばプロジェクトの名前をつける、なんてこともこれ、プロジェクトリーダーの役目であって自分はこのところ、うんうん唸っている。
サイトの名前をつけなくてはならないのだが、会社で運営するサイトなので功利的。っていうとやな言い方だが、サイトが集客装置となって我が社に利益をもたらすような、そんなキャッチーかつラブリーかつアッピールなネーミングにする必要がある。ね。
そんで自分は考えたが、なかなか良いアイディアが湧いてこない。緊張した思考では思いつくものも思いつかぬ、ここはひとつ自由連想というか、心とハートを開放して気ままにイメージあるいはイメーヂを掴む、それが大事なんだよ、きっと。と自分は傍らでうねうねしている猫に話しかけてハートと心を解き放った。
以下結果である。
どんとこい
親の顔より見るサイト
旅人のオアシス
ジェニファーの部屋
ジェニファーの家
パーラー大学
夏のしもぶくれ
あんたの犬小屋
めん、そ～れ
タラオの憂鬱
橘柑橘
DIYが趣味なんですと
グレード紋別
555
サワディーパンチ
十人十色回顧録
人間交差点
キャパシティボーイズ
春芽花椰菜
セーブポイント
Tiendas
ぽらリスらぼ
ぼくらの大八
テンポ夫人
もぐら
真夜中の冷蔵庫を開けた時の明るみのやさしさ
めきめき
ビアスポンヂ
合流治天
アンプルサンプル
メッカはここです
オムニ
すくらんブルー
絡まり糸の救済所
結論
RuTSuBo
もね
まね
2073
ウィンドウズショッピング
ジーニャス河千田
モチつかぬ
これからのプロムナード
ティティモンキープラザ
トム・ブラウン（46）
茂吉の知恵袋
スダッチャオ
紅糀正宗
結論としては、自由連想はあまり役に立たない、というかまったく役に立たないということであった。猫はすでにどこかへ行っていて姿はない。自らの脳みそが機能しないので他からTipsを頂戴するしかなく、そのへんに落ちていた類語辞典を開いてみたの。ぱらぱらめくっていたの、そしたら。
【交わる】という意味の語彙を集めた一群があるじゃないですか、そしてそこには「エッチ」なる言葉があったのね。エッチ。幼少のみぎりより、「エッチスケッチワンタッチ、お風呂に入ってエッチッチ」などとわらべ歌を口ずさんでいた身としては実に興味深い単語で、看過することは許されない。誰に許されないのか分からないが、とにかく許されないと感じた。なので読んでみると、以下のように書いてある。
【俗 性交の婉曲な言い方。『ねえねえ、～しようか』 ◇「エッチ」は「hentai（変態）」の頭文字から】
講談社から出ている辞典である。どんな感じで「ねえねえ、～しようか」という原稿を書いたのだろうか。などということも気になるが、もっと気になるのは、なんかこの文変じゃねえ？ ということである。
俗語、とあるから話しぶりも俗っぽくなっているような気がするが、「～しようか」などとコトを持ち掛ける男（女でもいいが）がいるだろうか。だいたい、「しよう」の「う」を確実に発音している人がどれだけいるんだろう。大概の人が「しよー」「しよーよ」「しよぉー」「しよ」などと発音している、そんな気がする。「う」は死んでいるのだ。だから講談社のこれ、「ねえねえ、～しようよ」は文語的、活字でしか触れ合わない言葉だと思う。やっぱり講談社の辞書なんだな、となんかそんな感じ。
ちなみに「エッチ」の上には「やる」がある。読んでみると、
【俗 「性交」の非常に俗語的な表現。「あの子とやりたいぜ」】
やはり文語的だ。中上健次の小説に出てきそうなセリフ。語尾に「ぜ」をつける男を君は知っているか？ 自分は知っている、が別にいつも毎度毎回「やりたいぜ」「寝たいぜ」などと言っているわけではなく、「ぜ」の出現頻度はかなり低い。俗のリアルに寄せるならば、「やりてー」「やりてえ」などになるだろう。文章を生業としている矜持というか、俗になりきれないなにかを感じる。
「火遊びする」
【その場限りの遊びの気分で浮気をすること 「お宅の旦那だってどっかで～してるかもしれないわよ」】
女の強さがうかがえる例文である。
「交尾」
【動物が生殖のために交わること。「都会では路上で犬が～する姿も見かけなくなった」】
野良犬の哀しみがしみじみと伝わってくる一文である。昭和の漫画には下町をうろついている野良犬が描かれているが、たしかに今時分の下町で野良犬を見かけることはない。いろんな意味の近代化が野良犬たちの青春を奪ったのだろう。また、この例文を担当した人物の年齢層が感じられてポイントが高い。
そんな感じで類語辞典は面白いので、ネーミングはまったく進まないのであるぜ。シソーラス。
P.S.
今年9月、スピッツがアルバム「花鳥風月」の改訂版を出すらしい。島根の知り合いが教えてくれた。泣けることに、インディーズアルバム「ヒバリのこころ」6曲が新たに追加される。死に物狂いのカゲロウを見ていた、がメジャー化しないかね・・・とひとり勝手に願っていた自分としてはべらぼうに嬉しい。はっきり申し上げて慶賀すべきことである。そのへんの見知らぬおっさんと握手して「やりましたな！」などと言い合っては肩をばんばん叩き合って、最終的に抱き合ってなんだか知らぬが頬につたう涙、みたいなことになっても全然おかしくない、そのくらいに嬉しいぜ。
文責：不動産屋
