俺はなんばんぼし

釣具屋と不動産屋の

第75回「サクサク派に異を唱えたい」

食べ物の話題を。

 

天ぷらだとか唐揚げだとかいわゆる揚げ物、というジャンルの料理がある。一人暮らしでは油がもったいなかったりするのでなかなか作らないが、さて私も好きな料理でたいていの揚げたものは好物である。特にブロッコリーを素揚げしたものは大変に美味であると思う。ブロッコリーの青臭さみたいなのが消失し、見事に油を吸って、肥満児好みの味に変貌する。

 

今回のテーマは揚げ物のサクサク感についてだ。世間にはカラッとサクサクしたものこそ大変素晴らしく、サクサクしていないものは失敗である、なんてきらいがある。私はそのサクサク論調に異を唱えたいのだ。

というのも私は割とべちょべちょした天ぷらが好きだし、しんなりした唐揚げなんかも好きなのだ。緑のたぬき、というカップうどんについている天ぷらの様な揚げ物は、お湯を入れるときから天ぷらをセットし、べちゃべちゃにして食べるするくらいべちゃべちゃ派なのである。

たいていこういった私の好みを主張すると、へえ、そうですか、と蔑視を向けられることが多い。まったく我慢ならない。

少数派であることは認めるが、こういう一派も市民権を得たいのだ。サクサク派を否定したいわけではないが、サクサク派これ正義といった大きな面はしてほしくないとは思っている。

これ以上デカイ面をされないために、私は主張したいのだ。

 

サクサク派に関する反論① 

「あんまりサクサクだと口の中切っちゃいませんか?」

サクサク派はみなこぞってその食感を主張している様だ。サクサクしてうまい、みたいな。油も程よくきれていておいしいのだろう。

確かにそれはそうだが、あんまりサクサクしてると、口の中切っちゃいませんか。ザクザクした唐揚げとか、かき揚げとかたいてい口の中がきれませんか。血だらけになってまで食べたいですか。

私はそれが嫌なのでべちょべちょした揚げ物を好みます。

 

 

サクサク派に関する反論② 

「サクサク派のひとに限ってレモンかけたがりませんか?」

これはまったくもって偏見であるが、サクサク派の人ほど唐揚げにレモンをかけたがる。これはもう百発百中でレモンをかける。レモンを唐揚げにかける奴はサクサク派だし、サクサク派は唐揚げにレモンをかけるという事だ。これだよこれッとか何とか言って。せっかくカラッと上がっているのにレモンかけて食感損ないませんか。行動に一貫性がないのではないですか。サクサク派とか何とか言って、実はべちょべちょも好きなのでしょう。もう楽になってもいいんですよ。

私はレモンよりもマヨネーズをかけてべちょべちょにします。

 

サクサク派に関する反論③

「てんぷらこそ塩で食べるんだよ、は周りに気をつかわせている」

サクサク派の連中はたいてい天ぷらに塩をかけたがる。勢い余って焼き鳥なんかも塩で頼む。これも全く持って偏見であるが、サクサク派の連中はたいてい塩派だ。これはもう百発百中。サクサクした食感を味わうために塩をかける、という行動の一貫性は称賛に値する。しかしサクサク派もとい塩派の主張は素材の味が分かる、とかなんとか抜かしていることだ。塩だと素材の味が分かるんだよ、みたいな。この主張の問題点は分かってます感を出されること。すなわちその後に天つゆとか焼き鳥をたれで食べづらくなってしまうのだよね。素材の味楽しまないの?って言われている気がしてならないのだ。というか天つゆとかタレには確実にうまみ成分のアミノ酸が含まれている。うまい素材にうまみ成分足した方が美味いのではなかろうか。

私は塩派にも異を唱えます。

 

サクサク派に対する反論④

かつ丼好きでしょ?」

かつ丼。サクサクしたとんかつをわざわざ出汁につけて、挙句の果てには卵で包んじゃうあの料理。好きでしょ。サクサクしてません。でも好きでしょう。かつ丼は別、なんて理屈は通りません。

私はかつ丼が大好きです。

 

 

サクサクだけが正義ではないことにそろそろみんな気が付くべきです。

 

文責:おがさわら(31、無職、大阪)