俺はなんばんぼし

釣具屋と不動産屋の

第七回 自分は六本木を知らないが

ほええぇぇ。ほえええぇ。ほえええええぇぇえぇえええぇえぇぇぇぇぇぇぇえええぇっ。
自分はウェブログに投稿する前に文章を紙に書くのが常で、え、と書きすぎて漢字の、之、と書いているような気がしてきたが、そんなことはどうでもよい。
ほえええぇ、は東京の夏が暑過ぎることによる心身の辛みを訴える魂の叫びだ。ここ東京で一年後にオリンピックショウを開催するらしいが、死人が出るのではないか。界隈の葬儀屋などは2020サマー早割キャンペーン、を打ってもおかしくはない、とどこにでも落ちているような不動産屋(28)は思う。

それにしても暑すぎる。7/29から昨日まで南の国シンガポールに行っていたが、そのシンガポールより北に位置する東京の方がずっともっと暑い。北になれば、というか極に近づけば近づくほどに暑さはやわらぐのがフツーではないのか。なめているのか。むかついてきた。

しかしいったい何になめられているのか、そんなにむかついているのか、そのことが定かでない。きっと暑さのせいで頭脳がゆであがり、ぼおっとしているからだろうと思う。となると、やはり原因は暑さなのだろうが、とはいえ暑さとはそもなんぞや、という全く実用性のない哲学のまねごとのような疑問がわいてきて二進も三進もいかぬ。

シンガポールでは、クラークキー(clarkquay)という所に滞在していた。日本でいう、六本木みたいな夜遊びの街らしい(自分は六本木がどんなところかを知らないが上司がそう言っていた)。
ここでは飲み屋、クラブが軒を連ねる大アーケードが形成されており、夜になるとシンガポール川の水面に店店の灯りが映ってムーディだ。平安時代の御仁が見たら「やんごとなきなんたら」と云って詠むかもしれない。

が、問題はこのアーケードの屋根にある。屋根に「ClarkQuay」なる文字の大看板が乗っかっているのだ。この光景は冷静に考えてみると、可笑しくないか。

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観光客であれば、「ここがかの有名なクラークキーか。だってほら、あそこにでっかくclarkquayとあるだろう。ここがクラークキーなんだ、そうなんだ」と誰に語りかけているのか謎だが言ったり、思ったりするだろう。
しかし、地元の人人の立場からしたらこの光景はちょっとあほらしいに違いない。

たとえば六本木で同じ状況を考えるとして、飲み屋街の上にでっかく「六本木」の文字が鎮座していたら、おかしくないだろうか。
赤羽駅の隣に飲み屋街があるが、それらの上にも「赤羽」の文字。大きさは5メートル四方である。
だからなんなのだ、という気持ちになってきやしないか。


という話を、シンガポールに一緒に行っていた先輩に話したところ、「そんなどうでもよいことはどうでもよいので考えなくていいです。売上報告をしてください」と言われた。
クラークキーのビールは中ジョッキで一杯1500円くらいする。
世知辛い国であった。
注意が肝要である。

次回は関西の農機具商のお話です。