俺はなんばんぼし

釣具屋と不動産屋の

第101回「部屋の大掃除」

本当は大みそかの前にやる人が多いと思うが、先日、自室の大掃除をした。

結構大雑把な性格をしているらしく、少々埃が積もろうが気にしないのだが、そんな自分でもそろそろだな、と思う水準に達したのだ。

また、最近ちょっといいPCを購入し、それが納品されたと言うのもある。デスクトップのでかいやつ。pcというのは埃との相性が悪い。ファンが埃を吸い込むのはさせねばならぬ。こんな理由もあいまり、重い腰を上げることにした。

 

基本的に片付けが苦手なので、インタネットで片付けの方法を調べると、とにかく持ち物全部出して並べろ、と言う乱暴な意見が目立った。ので、素直な私は持ち物を全て部屋に並べることにした。

 

すると、衣服の量がダントツで多かった。全部で10kgくらいですか。もっとあったな。45リットルの袋が4つくらいパンパンになるくらい。

確かに洗濯後の服とかを無造作に置いたりして部屋が乱雑になってるなとは薄々感じてはいた。

それにしても自分の服の年間購入金額は多分3万円くらいで、比較的服を買ってない方だと思われる。それでもめちゃくちゃ服が多い。

 

服。なんでこんなに多いのか。部屋を綺麗にするには、服をどうにかするしかない。服について一度考える時が来たのかもしれない。正直服には不満が溜まっている。

 

1.そもそもの服の種類がめちゃくちゃ多くて腹立だしい。

 長袖、半袖、半ズボン長ズボン、tシャツにワイシャツ、パーカやらパンツにインナー、靴下。多い。服の種類が多くないか。完全に四季のせいだね。夏は暑く、冬は寒い。春色に秋色。考えること多すぎなんだ。衣替えってやかましいわ。日本の服屋は儲かるのだろう。

 

2.それぞれの服の種類の中に専用の服ってやつがあって腹立だしい。

 何々用の服ってやつも多い。仕事してたらスーツがいるし、スーツにしちゃうとスニーカというわけにもいかない。それ用のコートもいるし、鞄だって用意しないといけない。ネクタイってなんやねん!冠婚葬祭喜んで。

運動するときは運動用のものが必要だし、異性とどこかに行くときは、好印象のものが必要になってくる。日本の服屋は儲かるね。確信した。

僕はスティーブ・ジョブズを尊敬する。

 

3.洗濯という行為がめんどくさすぎて腹立だしい。

 生活する上で家事をしなければならないのだが、その中でもダントツで面倒くさい。洗う、乾かす、しまう。工程がめちゃくちゃ多い。これだけでもなかなか許せないが、最も許せないのは、めちゃくちゃ時間がかかる事だ。洗いに40分、干すに半日、しまいに10分。累計12時間50分はかかる。

ずっと専念してるわけじゃないから、違うことすればいいじゃん、みたいな意見もある。違うんです。特に洗いと干しに関しては、時間がかかるがゆえに、それをした事自体を忘れてしまう事が問題なのですよ。洗いっぱなしで臭くなる、干しっぱなしでカピカピになる。取り込んだ時に時間がなくて畳めない。その瞬間で完結しない事によるデメリットが多いのですよ。腹が立ってきた。

仕方ないので、最近は一番時間のかかる乾かし工程をコインランドリに頼っている。毎回300円。結構するなあと思ったあなた。一度お試しあれ。めちゃくちゃ洗濯が楽になる事間違いなし。私は立派なランドリ依存症。

 

4.服という名の思い出が愛しくて腹立だしい。

 厄介なことに、思い出の服、というものが自分には存在する。主に大学時代のものなのだが、グッズなる、みんなで作ったお揃いの服がある。それは多分今後袖を通すことのない。しかし、これらは服なのだがもはや服ではなく思い出なのだ。これらが幾つかいまだに所持しており、これまで捨てることが出来なかった。何度も思いました。今回こそは捨てるぞと。しかし毎回後ろ髪を引いてくるのです。2度と手に入らない。捨てたら、思い出すトリガが無くなるのでは。自分は過去にも生きている。

 

 

 

とまぁ、根本的に服の種類が多いこと、さらには思い出の服があり捨てられないことが、私の所持服数の多い要因であった。

服の種類に関してはまあいい。不満はあるが日本で暮らす以上仕方のないことだ。

したがって必然的に部屋を綺麗にするには、服を捨てるしかない。なんとも自明な事だ。

しかし自分は服を捨てられない。そういう性質なのだ。分かっている。しかし、まだ着れる、予備で、思い出が、みたいな貧乏くさい思考に囚われているのだ。

 

どうしたらいいか。思考を捨て、ルールに従えば良い。機械的に部屋を綺麗にするマシンにならば良いのだ。機械が動くには一定の法則が必要だ。ルールとでも言うべきか。すなわち方程式だ。

 

 

質量保存則という地球の約束がある。部屋という閉鎖空間において、流入してくる服の質量は保存される。勝手にはなくならない。勝手に無くなるよ!って人は泥棒がいることが疑われるので要注意だ。

で、つまり以下の式になる。

(服の総量)=(服の流入量)-(服の流出量)

 

部屋を綺麗にするためには、服の総量を減らす必要がある。上の式によると、流入を減らし、かつ流出を増やせば良さそうだ。

例えば流入を減らすだけだと、服の総量の増加率が穏やかになるだけで、量自体は減らない。

一方で流入をゼロにしてしまい、流出のみをさせると、いずれ僕は素っ裸で生活しなくてはならなくなる。

これがこの方程式の勘所である。

で、捨てる量を自動的に決定するためにはどうすれば良いか。総量、流入量、流出量は独立した変数だ。一つの式から解を得るには、変数を一つにしなければならない。したがって、総量と、流入量を決定してしまえば良い。

 

最適な服の総量とは何か。自分は、平日に洗濯を忘れても乗り越えられるかつ、人からいつも同じ服着てんなって言う印象を持たれない数、が最適だと思う。具体的には何枚か。5枚だ。絶妙な感じがする。

したがって、それぞれの種類で5枚とする事にする。

 

次に流入量を決める必要があるが、実はこれは決めなくても良い。今この瞬間の新しい流入はゼロなので、流入量は総量と等しくなる。すなわち、上式は次に変換される。

5枚=総量 - 流出量

移行して、

流出量=総量 - 5枚

 

僕はマシン。ルールに従うのみ。

つまるところ、いろんな服を5枚に厳選した。

 

 

 

とまぁ、こんな感じで、45リットルの袋が4枚パンパンになった。結構溜め込んでたなと言う印象。しかしこれでかなり部屋が綺麗になった。副次的に、収納に余裕が生まれる、スペースも生じたため掃除もしやすくなり、部屋を綺麗に維持する効果があることが分かった。断捨離すると綺麗スパイラルに乗ることができる。

実績として2週間、部屋は綺麗な状態を保っている。なんとか5枚ルールに従い、部屋を綺麗にし続けたいものだ。

 

p.s思い出の服は1枚に厳選し、全て廃棄。捨てる瞬間はかなり躊躇したが、今は全く気にもならない。思い出を捨てると言う行為は、職場で人が辞めた時の感じに似ていると思う。いつだって今とこれからが大事なのだ。

 

文責おがさわら(32,大阪、会社員)