俺はなんばんぼし

釣具屋と不動産屋の

第67回「ザッツザクエスチョン 視線」

猫がにゃあ、と人間に向かって鳴く時があるが、こういう時はたいてい人間の顔を見ながら鳴いてゐるような気がする。顔、というか、目。あらぬ方を向いて鳴く時もあるが、それは割とマイナーな鳴き方で、目を見据えて鳴く、これが奴らのセオリーだ。
ということはどういうことかというと、こいつ(あたし)に訴えかけるには目を見て鳴くのが吉である、と猫が分かっているということだろう。確かに、他者になにかを伝えたい時、他者の思惑を受け取ろうとする時には、ホモサピエンス同士でも目と目を合わせるのがまあ一般的なルールだと思う(目を合わせないことで伝える技術もあるっちゃあるが)。「目を見て話せ」なんてことも言われる。「目は口ほどにものをいう」なんて言葉もある。目と目がぶつかって始まる人間関係も、これある。アイコンタクト、なんて外来語もある。

このように他者との意思疎通において、目はおそらく口(発語・言語による身体コミュニケーション)の次点に位置するのであろうが、不思議だね、と思うのは猫がこれを知っていることだ。誰に教わったわけでもないだろうに、このことを知っている。
まあイノシシやクマと山中で出会ったら視線を外さずに後ずさりしろ、なんてことも言われるくらいだから、イノシシやクマもアイコンタクトの重要性に気づいていると思われる。やつらはなぜこのことを知っているんだろう。チョムスキーの言語生得論のように、生命のスターターキットに組み込まれている気がしてならないんですが、どうなんでしょうか。

 

なんて、ラジオの夏休みこども質問コーナーで問い合わせしてみようかしら。
なんて、もうすぐ31歳。

P.S.
でも、鳥類や魚類、両生類などとはアイコンタクトできている気がしない。
アイコンタクトは哺乳類限定なのかもしれない。
というか、類ごとにコンタクト方法が異なるのかもしれないですね。小鳥の鳴き声には文法がある、みたいな話をなにかで読んだ気がする。メジロパーマー