俺はなんばんぼし

釣具屋と不動産屋の

第##回「このままじゃいけないと思うことに弊害があるはずだ」

こんなものはない方がよいのだろうけど、あらゆる物事が平和裏に収まっていくのだろうけども、現実はそう計画通りにいかないので、このままではいけない、このままではいけない、このままではいけないのだ、という危機感がやはりこれ必要で、それは飢餓感といってもいいのだろうが、これを失うと人はみなぬるま湯に浸って思考停止、安定自体が思考停止であって、思考停止が悪いわけではないのだろうが、それはやはり飢餓感の喪失、危機感の喪失であって、これがなくなると人間、成長がとまる。経済成長の弊害は簡単に思いつくことができるが、人間の生長の弊害を私は感知できない、それはあれか、独尊なのか。まっしぐらがいけないのか、他を置いて行ってしまうことのどうしようもない狡猾さがそうさせるのか。中島らものエッセイにかの眼玉という文章があって、かの目玉は上下がさかさまだから、上昇が下降であり下降が上昇である、ということを書いているのだけれども、物事はすべておしなべて二面性を保持しているため、やはり人間の生長にも、間違い、成長にもやはり弊害があるはずなのだが、それが分からない。